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  「しんばし」という料亭は、ロックフェラーセンターの1本西のマジソン街を少し入ったところにあった。世界のN・Yの料亭だけあって行き届いた造りであった。福井氏は昼間単独行動で疲れた様子であったが、畳に座られるとホッとされたのか例によって薀蓄ぶりを発揮されている。一瀬氏がヒラ氏にN・Yでの苦労話を質問されると、第一に諸物価のことをあげられた。N・Y郊外でも家賃は相当なもので、なんと200平方メートルほどのアパートで月々1200〜1500ドルだそうな。1軒家の庭付きでもそれぐらいはするという。私達が今回のツアーに持参してきたドルとほぼ同額ではないか。金銭感覚が狂ってしまうのも無理はなく、お昼食べたちらし寿司が10ドルしたのも納得できる。私は、真鰹の照焼、芋の煮ころがし、ほうれん草をごちそうになった。
  世界の何もかもが凝縮されているN・Yである。日本料理がとても美味しい。また夜のほうも新宿に劣らず長いが、ネオンサインは超高層ビルに隠れてしまって、けばけばしさはない。ここにこのような店があったのかと驚いてしまう。ヒルトンホテルのちょうど裏手のJAZZのライブハウスがそれ。ビジネス街のどまん中である。
  中にはいると、スイングジャズの響きとともに、数個のスポットライトで浮き彫りにされたミュージシャン達が目に映った。"Eddie Condon's"というライブハウスは朝の4時までやっているという。観客はほぼ満席で100人は入っている。壁にもたれ肩を組んで座っているカップル、リズムをとりながら恍惚の表情をしているビジネスマン、静かにバーボンのグラスを持っているインテリ風の中年紳士・・・。

タバコの煙でスポットライトが灯台のように線を描いている。サックスを吹く黒人の額には、ライブハウスの熱気で汗がにじんでいる。それぞれのソロごとに拍手が送られ、私達もいつしか雰囲気にのまれてリズムをとってしまっていた。


★ ワンショット ★

DELTA航空の搭乗チケット(ヒューストン → NYラガーディア)


ロックフェラーセンターのプロムナードにて橋本氏と(このWEB版のValveジャケットにしました)